ユーザーインタビューは、参加者ごとの元の記録を保存し、発言、観察した行動、自分の解釈を分けて整理します。その後、同じ研究の問いで複数の記録を比較し、発見の根拠と限界、次に検証することを記します。
「検索を改善すべき」というまとめには、共有場所を思い出せない、現在の版を選べない、権限がない、といった異なる問題が隠れます。提案へ進む前に違いを残します。
各記録の出所を明確にする
佐藤凛は、共有された納品ファイルをどう探すか調査しています。参加者をU01、U02、U03とし、日付、仕事の状況、調査の問いを記録します。まとめから戻れるよう、各インタビューは別々に保存します。
この例は3件を比較するもので、人数の割合から利用者全体の需要を推計しません。録音や画面を保存する場合は必要な同意を取り、引用箇所と資料の場所を記します。
発言・観察・解釈を分ける
U02は、チャットで「最終版」を検索し、似たファイルが複数見つかった経験を話しました。今回の画面共有でも似た名前が表示されました。過去に旧版を送ったという説明と、今回見えたファイル名は、情報の種類が違います。
| 種類 | 例 | 残すこと |
|---|---|---|
| 発言 | 最終版が何個も出て、どれを送るか分からない | 話者と引用箇所 |
| 観察 | 画面共有で似た名前を3件確認 | 今回直接見た内容 |
| 解釈・仮説 | 現在の版を示す表示が不足している可能性 | 検証前の判断であること |
聞き取れない箇所や文脈が不足する内容は確認待ちにします。「検索ボタンが欲しい」という提案も保存し、直近の探し方と困った箇所を尋ねます。提案だけでは、そのボタンが問題を解決すると判断できません。
コピーできる記録テンプレート
調査の問い:
参加者番号と関連する背景:
日付・方法・記録者:
録音や画像保存の同意・資料の場所:
直近の具体的な経験:
- きっかけと目的:
- 実際の手順と資料:
- 困った点と影響:
重要な発言と引用箇所:
今回直接観察した行動:
自分の解釈・仮説:
確認事項と矛盾する証拠:
次に質問・検証すること: 事前にタスクノートへ問いと質問を入れ、終了後に引用を確認して観察を補います。操作を見ていない内容は経験の説明として残し、観察した事実に置き換えません。
同じ問いで複数の記録を比べる
U01はファイルがある会話を思い出せず、U02は似た最終版を選べません。U03は固定の納品フォルダを使い、今回同じ問題を報告しませんでした。探す入口と版の認識を分けて比較できます。
| 記録 | 状況と根拠 | 残る問い |
|---|---|---|
| U01 | チャットから探し、送信場所を思い出せない | 固定の入口で改善するか |
| U02 | 似た名前で現在の版が不明 | 版の表示で誤選択が減るか |
| U03 | 固定フォルダを使用し、同様の問題なし | チームの運用がどれほど影響するか |
TodoNoteでは、各インタビューとまとめに同じ調査タグを付けます。まとめには発見と参加者番号を記し、根拠を確かめるときに元のノートへ戻ります。タグは記録を集める入口で、分析は自分で行います。
範囲が分かる形で発見を書く
「この3件ではU01とU02に場所や版の問題があり、U03の固定フォルダ運用をさらに調べたい」と書けば、根拠と違いを残せます。「全利用者に横断検索が必要」では、解決策までの判断が省かれます。
次は版の表示を検証するタスクを作ります。複数の版を用意し、現在の納品ファイルを探してもらい、選択、迷い、誤りを記録します。インタビューの発見は検証の出発点です。
まとめた後も元の記録を残す
訂正には日付を添え、元の文脈を残します。要約には判断に必要な部分を載せ、詳しい記録は元のタスクに置きます。探しにくくなったらタグの整理方法を利用できます。
Nielsen Norman Groupの説明は、自己申告と行動の違い、具体的な設計を観察で確かめる必要性を扱っています。出所を明記すると、次に適した検証方法を選びやすくなります。